08/1/22 N(S道 写真)、Henry(Cパス)、T(一般)、fuku(記、写真)
行ったことがない築山に周回することを前提に線を引く。昨年末にNから提案のあったプランを参考に出発場所を立戸とする。

ここが築山山頂
予定は下図のとおり。緑は時間切れ等で山頂から引き返す場合のせめてものお楽しみルート。その他周回途中のエスケープとして861から210°の尾根下降も頭に入れておく。

スポーツ公園駐車場に車を置く。尾根の斜面から取り付こうと思ったが、かなり急なため右に移動し尾根を忠実にたどることにとする。
雪は5cmほどうすく積もっている。足を置くと雪は固まりになり枯葉の上を滑りキックステップも効かない。急な箇所は木を掴みながら登っていく。
登りなので特に読図は必要ないが、常に読図力アップを念頭に現在地を確認しながら登っていく。大岡山からの稜線の高さが迫ってくると923は近い。
稜線に出ると雪質が良くなり、パウダーになる。膝近くのラッセルだが、雪は軽くほとんど負荷を感じない。12時山頂到着。昨年同様今年の積雪もイマイチだが、周囲の山並みはやはり瀬戸内とは異空間の白と黒のモノトーンの世界が拡がる。
風の強い山頂からわずかに西に下った場所で昼食とする。Nの味噌ラーメンが美味い。山では一味もふた味も料理が美味くなる。もちろん、いつものコーヒーと羊羹付の豪華版である。
出発は13時。行くか戻るかすこし微妙な時間となる。当初の目的どおり周回するには、読図ミスの
時間ロスは許されない。861でもう一度判断し、そこからのエスケープ尾根に下ることも可能。よし、行こう。
先頭を交代しながら進む。ラッセルはほとんど問題ないが、先頭を行くことで主体的に読図を行なうのが目的である。読図山行といっても、着いていくばかりではやはり読図力は向上しない。
Tが初めて先頭を行く。最初尾根からはずれ斜面を下りそうにな
るがすぐ修正して復帰する。明瞭な尾根なので迷うことは無く順調に進むが、現在位置をきちんと把握するほどの余裕はなさそうだ。
861には順調に到着。なんとか行けそうなので周回を続ける。838には特に難しい場所は無く到着。今回の読図ではここからが本番である。
ここからはHenryが先頭で奮闘する。最初の課題は838から少し下った場所から目的の南東に分岐する尾根に乗ることである。やり方は、838から少し下ると傾斜は水平に近いくらいに緩くなり再び傾斜が急になる先端まで進むとここで位置が特定できる。ここでコンパスをセットしそのラインに斜面状を下る。少しすると徐々に尾根地形が浮き出てくる。後は傾斜感、周囲の状況、方向などに矛盾が無いか丹念にチェックしながら進む。少しでも疑念があれば早めに検証し、大きな間違いを犯さないよう注意深く進む。
第二の課題と考えていたのは、少し進み南に分岐する尾根に入ること。しかし、これは明るく開けた場所に明瞭な尾根が右手に現れ何の苦も無く見つかる。尾根に入り右下の谷地形と地形図に矛盾が無いので、100%間違いなさそうである。
しかし、この南尾根の周囲の光景に愕然とする。
西の谷の両面は大地からすべての樹木が剥ぎ取られた惨めな姿をさらしている。少し進むと今日伐採された立派な松が倒れその周囲にチェーンソーの木屑が雪を茶色に覆っている。今まさにその行為は進行中なのである。
色んな利害事情はあるのだろうが、我々の価値観からは信じられない残念な光景だ。
560から目的の尾根に乗るのに少し時間を要する。地形がぼんやりしているので、コンパスラインが頼りで下る。やがて尾根ははっきりしてくる。
この尾根に乗れば後は尾根をはずさないように下れば良いだけ。途中からは道も現れ楽勝ムード。最後は道に導かれるように左に曲がり沢を渡渉した場所はぴったり駐車場であった。
記 録

山行後記
読図はばっちりだったが、最後の剥ぎ取られた山肌はあまりにも無残で一気に現実社会に引き戻された思いだった。