06/12/06  鹿足河内林道

 S夫妻(U山岳会)、Aoi-toriS道)、HenryCパス)、M(無所属)、

takeofuku(文)

目の前が白旗山頂

 Sさん提案のプランに便乗する。今年の1月に大岡山から築山を巡り、今シーズンの冬山はそれの継続を考え下見も兼ねたSさんの計画だ。

 

林道を進みコサンズイ谷の車2台ほどのスペースに1台置き、もう一台で林道を進む。林道終点のすこし広い場所からすこし以前の地形図にあった(この記録の地形図にはない)波線を進む。道は藪化したところもあるが、まずまずの状態で歩きやすい。が、それもすぐ終了しホン谷に沿って進む。踏み跡はない。前方の稜線が右に曲がっている。二俣が近いことが分かる。

思ったとおり二俣。念の為コンパスで方向を確かめると?、左俣は予想より北から流れ込んでいる。目的の左俣か確信が持てない。地形図でそれらしい谷を探すと、二俣手前に北から流れ込む谷がある。谷の傾斜が地形図より緩いのが気になるが、そうすると目的の二俣はもう少し先になる。相談の上ここは右俣を選択する。

沢は植林の倒木が覆い歩きにくい。右岸の植林帯に入りしばらく行くがここも藪がひどくなり再び沢に降りる。そろそろ二俣の尾根が入り込むはずと上部の尾根を見るがどうもそんな感じには見えない。少し疑念がわいてくる。

沢の傾斜は増し、倒木が幾重にも行く手をさえぎる。つららが下がる冷たい沢の水にも濡れたくはない。この辺りが潮時と沢から左岸の幼木の植林帯に取り付き尾根伝いに進路変更する。幼木の藪は意外に手強い。


林道終点からホン谷へ

最初はこんなところを行く

つらら

尾根の小潅木

すこし登り後ろを振り返ると、あれ?稜線の手前に尾根がひとつある。しまった、右俣に入っていたのだ。ま、くやしいが仕方ない。白旗山を目指すのに大差はないと無理やり納得する。

胸から頭を越える笹藪となり稜線まで続く。稜線に乗ったが期待した踏みは跡なくここからもやはり笹薮。山頂直下でやっと踏み跡が現れる。山頂への登りの笹薮と周りの木立の感じが素晴らしい。

10:50山頂到着。三角点のすぐ先に石が鎮座。北側の尾根にも道は見えない。北側林道から尾根伝いにルートが切り開かれたとの情報を得ていたが、すでにかなり笹藪が覆っているようだ。歩かれない道はすぐ藪に消えてしまう。

さて、白旗山からは反時計回りに稜線をたどる。山頂からすこし戻り進路を西に取り笹薮を漕いで稜線に乗る。稜線の南斜面は植林帯となっていて、すぐに藪が薄くなり歩きやすくなる。地面をうっすらと雪が覆う。


白旗山三角点

白旗山頂の石


稜線はずっと笹薮

L字に曲がったピークからは、再び笹薮が覆うが傾斜がないので胸以上の笹薮もそれほどきつくはない。この辺りから1026手前の鞍部あたりの林の感じがなかなか良い。12時前に1026到着。ここも南斜面は植林、反対側は自然林である。ここで昼食。

「カメラがない!」。

出発しようとした矢先takeoがあわてている。ザックをひっくり返し、ポケットを探す。昼食場所や1026鞍部まで引き返したりと全員で大騒ぎ。30分探しほとんどあきらめかけた頃見つかった。黒と銀のいかにも見つけ難いカメラを考えるとほとんど奇跡だ。「カメラをショッキングピンクに塗れ!」と皆から大ブーイング。とにかく良かった。

さて、ここから複雑にくねくねと稜線は曲がる。地形図で見る限りここから慎重に読図しなければいけない。

北に向け下降し左へ曲がり西のピークを目指し進む。さらにそこから南へ次に南西にさらに西へと細かく曲がる。複雑に見えるが稜線は案外明瞭だった。視界さえ良ければ迷うことはなさそうだ。

ここから南西にまっすぐ970を目指す。笹薮はこのあたりから頭を越えてくる。前方にピークが見えてきた。970だろう。ピークからは今度は南南東へと曲がる。コンパスで確かめるとその方向に尾根は伸びている。だが、傾斜の感じがすこし違うし周囲の地形から谷に下りそうにも見える。しばらくみんなで考えたが、とりあえず進んでみる。

すこし進むと、笹薮の間から右手に尾根とピークが見えた。あ、あれがおそらく本物だ。すぐ90度転進。どうやら一つ前のピークを970と間違えていたようですぐに本物の970到着。

山頂からは西方向の笹薮が1m程の幅に切り開かれ伸びている。それに向かえと赤ペンキの矢印も示している。さらにテープもしっかりありどうみてもそれがルートに見える。しかし、地形図で確かめるが明らかに方向が違う。地形も稜線でなくずっと下っている。45 46 のマーキングがあることからおそらく山境界の関係だろう。


970の45 46のペイント

赤い矢印

さて、読図で信じたとおりに行く。明瞭な切り開かれた矢印方向からは90度違う。こちらも境界柱があり、それに沿いすこし刈り払われている。難なく次のピーク。このピークは地形図では小いさな双耳峰となっているが登ってみるとそれほど明瞭ではない。

そろそろ下山のタイムリミットも迫ってきた。Sを中心に降りる相談をする。地形図から次の小さなピークの南尾根にしようと相談はまとまる。

藪漕ぎ覚悟だった南尾根は、うれしい誤算でテープと刈り開かれた山道が林道まで続いていて、楽々ぴったりで目的の場所に降り立つことが出来た。

 

記 録

林道終点発9:00〜10:35稜線〜10:50白旗山11:07〜11:50 1026ピーク 13:00〜14:00 970ピーク〜14:25南尾根〜15:00林道〜15:14駐車場(コサンズイ谷)

山行後期

 970を手前のピークと間違えた所はすこし悩んだが、全体的にそれほど難しい読図ではなかった。ただし、ガス等で視界が悪くなればとたんに厳しいルートになるだろう。

 ルートのほとんどは笹薮だがほとんどアップダウンがなく体力的にはそれほどでもない。

ショッキングピンクのテープは要所にあった。しかし、それを頼らないと行けないならこのルートは止めた方が良いだろう。読図があってのテープである。970山頂のテープや矢印は、読図なしに安易に進むととんでもないことになりかねないという良い事例だ。

ルート中、明瞭な道は下降に使った南尾根だけだった(これとて普通の登山道に比べれば無きに等しい)。

Sさんの狙いどおり、大岡山から馬蹄形に冬季に縦走すれば楽しそうな山域と感じた。